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傾斜のせいで止まらない球を、プレースできる場所がない!

(2021年5月号掲載)

Q.

バンカー内の斜面で、球が寄りかかっていたレーキを取り除いたところ、球が動きました。そこでその球を元の位置にリプレースしようとしたのですが、傾斜のせいで止まりません。なので、前回のまめ知識にあったとおり、もう一度元の場所でリプレースを試した後、球が止まる他の場所を探しました。しかし、前回のまめ知識では、球が最初にバンカー内にあった場合は同じバンカー内で探さなければならない、とのことでしたが、今回、同じバンカー内には、ホールに近づかずに球が止まる場所はありません。こんなとき、どうすればいいのでしょうか。

A.

この場合、残念ながらもはや無罰では処置できません。プレーヤーは1罰打でストロークと距離(規則19.2a)を用いるか、2罰打でそのバンカーの外側で後方線上の救済(規則19.3b)を用いるかのどちらかで、アンプレヤブルの球の救済を受けなければなりません。

【解説】

前回のまめ知識でご紹介したとおり、プレーヤーが球をリプレースしようとしても元の箇所に止まらない場合、まずは再度試さなければなりません。そしてそれでもやはり止まらない場合には、元の場所から最も近く、ホールには近づかず、球が止まる場所を探してそこにリプレースしなければなければなりません。そして今回の質問では、球の元あった位置がバンカー内なので、同じバンカー内でその場所を探さなければならないという制約があります。

しかしそうなると、今回の質問のように、そのような場所が見つからない可能性もあります。その場合には、残念ながら無罰で解決する方法はありません。回答の通りプレーヤーは、① 1罰打で「ストロークと距離(規則19.2a)」を用いるか、② 2罰打でそのバンカーの外側で「後方線上の救済(規則19.3b)」を用いるかのどちらかで、アンプレヤブルの球の救済を受けなければなりません。つまり、

  1. 1罰打で、直前のストロークが行われた場所から元の球か別の球をプレー
  2. 2罰打で、バンカーの外側で「ホールと球の元の箇所を結ぶ後方線上」に救済エリアを定め、元の球か別の球をドロップ

のどちらかを選択しなければならないのです。(オフィシャルガイドp222「規則14.2eの解釈」)

もともと無罰のはずの救済が、プレーヤーは悪くないのに罰ありになってしまうという、ゴルフ規則でも珍しいケースで、ちょっと理不尽な気もしますね。

しかし、ゴルフにおける罰というのは、プレーヤーが悪いことをしたから与えられるものではなく、他のプレーヤーとの釣り合いを取るために与えられるものなのだそうです。今回の場合、こうする以外に他のプレーヤーとの釣り合いを取る方法がないため、やむをえずこのようになっているのではないかと推測されます。

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