イメージ

自分が球を動かしたかどうかの判断基準は?

(2022年1月号掲載)

Q.

斜面にある球を打つためクラブを構えようとしたら、球が動いてしまいました。球を動かさないよう、スタンスにもクラブの位置にも気を付けていたので、自分の行動が原因で球が動いたのではないと思うのですが、この場合罰はあるのでしょうか?

A.

罰はありません。プレーヤーは、球が動いて止まった所からあるがままにプレーしなければなりません。

【解説】

球が動いた場合については、規則9で扱われています。それによれば、止まっているプレーヤーの球が動いた場合には、まずはその球を動かした原因を決定しなければなりません。そして、規則はその原因を次の4つに限定しています。それは、

  1. 風や水などの自然の力
  2. プレーヤー(そのプレーヤーのキャディーを含む)
  3. マッチプレーの相手(その相手のキャディーを含む)
  4. 外的影響(ストロークプレーの他のプレーヤーを含む)

の4つです。

このうち、②のプレーヤー、③の相手、④の外的影響は、それが原因であることが「分かっている、または事実上確実」な場合にだけ、球を動かす原因となっていたと扱われます。そして、この3つが原因であったことが「分かっている、または事実上確実」ではない場合、残りの1つ、①の自然の力が球を動かしたものと扱われるのです。

では、「分かっている、または事実上確実」とはどういうことでしょうか。これについてはゴルフ規則の「定義」の中に、次のようにあります。

分かっている、または事実上確実

プレーヤーの球に起きたことを決定するための基準(例えば、球がペナルティーエリアの中に止まったかどうか、球が動いたのかどうか、何が球を動かす原因となったのか)。

分かっている、または事実上確実は、単に可能性がある、または起こりそうであること以上のことで、次のいずれかを意味する:

  • 問題になっている出来事がプレーヤーの球に起きたという決定的な証拠がある(例えば、プレーヤー、または他の目撃者がそれが起きるのを見ていた場合)。または、
  • 疑念がほんのわずかにあるものの、合理的に入手可能なすべての情報は、問題になっている出来事の起きた可能性が95%以上であることを示している。

「合理的に入手可能なすべての情報」にはプレーヤーが分かっている情報と、プレーヤーが合理的な努力で、かつプレーを不当に遅らせることなく得られる他のすべての情報を含む。

つまり、今回のケースであれば、プレーヤーが球を動かしたという決定的な証拠があるか、またはすべての情報を総合し、その可能性が95%以上である場合に、「分かっている、または事実上確実」となるのです。

今回、球は斜面にあり、もともと自然の力で動いてもおかしくない状況にありました。そしてプレーヤーは球を動かさないよう、スタンスやクラブの位置に注意して行動しており、プレーヤー自身も、自分が原因ではないと考えています。このような状況では、プレーヤーが球を動かした可能性が95%以上であるとは言えないでしょう。また、③マッチプレーの相手 や④外敵影響 も関係ありません。よってこの場合、球を動かした原因は①自然の力に決定されるのです。

自然の力がプレーヤーの球を動かす原因となった場合、プレーヤーに罰はありません。そして、その球は新しい箇所からプレーしなければならないのです(規則9.2、9.3)。

目次に戻る