みんなでおめでとう!
 ミサトのマンション 「ね〜シンジ、今日はなんの日だか知ってる?」  本日、12月4日。 「ん〜? ・・・・なにかあったっけ?」 「そう! なにかあるの!」  びしっ!! っとシンジに向かって指差す。 「今日って4日だよね・・・・。やっぱなにかあったっけ??」 「あるっていったらあるの!」  今度は子供がやだやだとごねるみたくじたばたするアスカ。 「な、なにも暴れなくても・・・」  シンジの頬を汗が一筋。 「じゃあ、今日なにがあるか言ってみて!」 「考えても分からないものは分からないよ・・・」 「う〜・・・」  頬をぷくぅと膨らませると・・・ 「じゃーもっと暴れてやるぅ!」  じたばたじたばた! 「だからなんでそうなるのさ・・・」  いかにも困ったぞ、といわんばかりのシンジの表情。 「言ってくれないともっと暴れるわよっ!?」 「んなこと言われても・・・」  いやはやどうしたものかと首を傾げる。 「・・・あんた、本当にわかんないの?」 「う〜ん・・・・、そうだねぇ・・・多分、分からないや」 「た、多分て・・・」  かな〜り曖昧である。 「フン! そう、だったらもういいわっ!」  どすどすと音を立てて自室に入っていく。 「・・・・・・・・」  そんなアスカを、黙ってみているシンジ。 (ごめんねアスカ、今日がなんの日かは知ってるよ・・・。でも、今は知らないフリをす るしかないんだ・・・)  シンジは心の中で、そう言ったのである。 「お楽しみは・・・夜になってからだね」  決して変な意味ではない。  その数時間後、街中の喫茶にて 「なぁシンジ、惣流には気付かれへんかったか?」 「うん、どうにか大丈夫だよ」 「でも惣流のやつ、このこと知ったら驚くだろうな」 「その時まで絶対言っちゃだめよ」  シンジ、トウジ、ケンスケ、ヒカリがグルになってなにやら話しこんでいる。 「ミサトさんも用意はできてるっていうから、準備万端だね」 「せやけど、ええんかシンジ?」 「え?」 「惣流、シンジがなにも知らんとおもうて怒ってたんやろ?」 「まー・・・それはしょうがないよ」  しょうがないもんはしょうがない。 「まぁ別にわしはどうでもええんやけどな・・・」 「わざとびっくりさせるために、あえて言わないんだからな、確かにそれはしょうがない かもな」 「じゃあみんな、今夜の8時にもう一度集合ね」 「せやな、ミサトさんのアパートやな」 「じゃあ、とりあえずこれで解散するか」 「そだね」  ってなわけで、あっけなく作戦会議(?)は終了してさっさと解散。 「いや〜しかし、やっぱこの季節冷えるなぁ、いかにも冬到来って感じで」 「まーええんやないか、季節が戻ってきたっちゅーことやで」 「確かにそうだね、セカンドインパクト以降、初めての冬だね」  3人は途中までツルんで一緒に帰っている。 「せやシンジ、おまえは惣流にあげるプレゼント、なににしたんや?」 「僕は・・・・、まぁ内緒」 「ふぅん? なんやケチ臭いのう。別にええけどな」 「ケチとかいう問題でもないけどな」  他愛のない話題ではある。 「じゃあ、ここでとりあえず解散」  それぞれの路地がここから分かれるため、ここで本当の解散となった。 「んじゃ今夜な」 「OK」  というわけで、それぞれがそれぞれの道を歩いて帰っていった。  午後19時30分 「なによ・・・シンジのやつ・・・」  アスカはまだふてくされてベッドにうつぶせになっていた。 「そりゃぁ言ってないんだから知らないのも無理はないだろうけど・・・」  頬にはなにかの痕が残っていた。 「でもさでもさ、やっぱ知っててくれてもいいじゃん」  相手がシンジだからこそ、知っていて欲しいのであろうか。 「・・・でもしゃーないわね、自分から言うのもシャクだし」  ゴシゴシと目をこすると、ベッドから起き上がった。 とちょうどその時、 『アスカ、ちょっときてみて』  リビングからシンジの声がした。 「・・・なんの用よ!?」 『いいからいいから』 「用件言いなさいよ!」 『アスカがこっちにきてから言うよ』  なんだろうと思いつつ。 「・・・・・・・」  とりあえずアスカはだるそうに立ち上がると ガラガラガラ 自室を出ていった。 「・・・なにこれ?」  リビングにはいってみて、驚くのも無理はなく。 「なんで真っ暗なの?」  明かりひとつなく、まさに真っ暗闇。  と、その時、  パッパッパッ 室内の照明が一気に点く。  アスカは一瞬、目を瞑った。 「な、なに?」  そして、ゆっくりとアスカが目を開けてみると・・・、 「・・・・・・」  アスカの前には、シンジ、トウジ、ケンスケ、ヒカリ、ミサト、加持が立っていた。 「え・・・? え??」  アスカはなにが起こったか分からないという表情だ。  そうしてると、シンジがアスカの前に進み出た。 「アスカ」 「し、シンジ、これって一体・・・??」 「アスカ、今日がなんの日か、って僕に聞いてきたよね?」 「う、うん」  コクコクと頷くアスカに、ひと呼吸おいたシンジが、 「お誕生日おめでとう! アスカ!」  と言い放った。 「え・・・?」  さらに呆然とした表情になる。 「実はね、アスカの誕生日が今日だってこと、ミサトさんから聞いてたんだ」  そう聞いたアスカは、ミサトのほうを見やる。 ミサトはちろっと舌を出してみせた。 「それで、どうせならみんなでアスカを驚かそうってことになってさ」  シンジが話を続けていると、アスカは俯いていた。 「・・・・アスカ?」 「・・・くせに・・・」 「??」 「バカシンジのクセに、アタシを騙そうなんて10万年早いわよっ!」  微笑み?ながらアスカはシンジに飛び蹴りをかましてきた。 「わっ!、いててててっ!」  そしてシンジに乗っかりシンジの頬を引っ張ったり縮めたり。 「あいてててっ! い、いや、ごめんて!」 「ゆるさないんだからぁ〜!」  いいおもちゃ?にされてるシンジ。 「はいはい、仲が良いのを見せ付けるのはそれくらいして、誕生日パーティー始めるわよ」 「だ、誰が仲がいいですって!?」 「誰とは一言も言ってないんだけどねぇ?」 「うっ・・・」 「まーいいから、始めるわよ」  というわけで、その場の雰囲気を無視して誕生日パーティーが始まったのだ。 「長く話しすると時間かかるんで、みんなで一斉にひとことだけ言いましょう」  シンジが司会をする。 「みんな、じゃあいいかな?」 「「「「OK」」」」 「じゃー、せーのっ!」 「「「「ハッピバースディ、アスカ!!」」」」  全員で一斉にそういったあと、しばし時間が流れた。 「・・・・がと」  そしてアスカが、 「・・・ありがと・・・みんな・・・」  口を手で押さえ、泣いていた。 「さぁアスカ、ロウソクの火を消してみて」  バースディケーキに立ったロウソクの火。 「・・・うん」  そしてアスカは、ロウソクの火を一気に吹き消した。  パチパチパチパチ  その途端、拍手が鳴り響く。 「おめでとうアスカ」 「おめでとう、アスカ」 「おめでとさん、惣流」 「おめでとう惣流」  ミサト、ヒカリ、トウジ、ケンスケが言ったあと、 「アスカ、今日はキミが生まれた日、本当におめでとう、アスカ!」 「ありがとうみんな、ありがとう、シンジ・・・」  .......パーティーが終わった直後。 「じゃあみんなでプレゼントをアスカに上げて、それでお開きにしようか」 「せやな」  トウジが答える。 「なら、私からね」  ヒカリがアスカの元へ行く。 「はい、アスカ。おめでとう」  そしてプレゼントを手渡す。 「ありがとう、ヒカリ」  次に、 「今度は私ね。おめでとう、アスカ」  ミサトがプレゼントを渡す。 「サンキュ、ミサト」 「今度はわしらやな」 「ああ」  トウジとケンスケがアスカのところに行く。 「ほい、わしらからや」  トウジとケンスケがそれぞれからプレゼントを渡す。 「ま、あんた達のなんてロクなものなさそうだけど、一応貰っておいてあげるわよ」 「な、なんやその言いぐさ!?」 「・・・気にするなってトウジ、どうせいつものことだし・・・」  確かにそれはそうだ・・・。 「じゃぁ最後に僕だね」  シンジが最後にプレゼントを持ち、アスカのところへ。  そして、アスカの前に立つ。 「はいこれ、アスカ。おめでとう」 「シンジ・・・」  アスカはそっとシンジからそのプレゼントを受け取った。 「・・・開けてみてもいい?」 「うん」  そう聞いたアスカは、プレゼントをのリボンを解き、そっと開け始める。  カパッ 「これって・・・」  そして箱のフタを開けたアスカ。 「イヤリング・・・」  そこには、銀色に輝くイヤリングが。 「うん、アスカになら似合うかなと思って」  再び俯くアスカ。 「・・・アスカ? ・・・もしかして、気に入らなかった?」 「・・・そんなことない・・・」 「え?」 「・・・シンジがくれたんだもん、気に入らないはずないじゃない」  顔を上げたアスカの頬は、少し紅くなって、そして微笑んでいた。 「・・・よかった」  ほっとしたシンジ。 「・・・ありがと・・・シンジ」  そしてミサト達の方を向くと、 「みんなも、ありがとう!」  満面の笑みで、そう言ったのだった。 「シンジっ!」 「ん?」 「今度、このイヤリング付けて、デートしようねっ!」 「で、デートぉ!!??」 「「いや〜〜んな感じ!!」」  シンジは驚き、トウジとケンスケはがびーーんとなってた。 「うん! シンジとデートっ!」  イヤリングの入った箱を手に、アスカはその笑みをシンジのために、向けていたのだった。  Fin.
ってなわけで、誕生日おめでとうアスカ嬢! 私からも祝いの言葉を・・・、え? いら ないって?(泣 っていうか、今年で何歳になったんでしょうか・・? 2歳?? まーいいや、これからもシンジ君とお幸せにねっ。夫婦喧嘩すんじゃねぇぞぉ!(笑 うるさいわよっ! バキッ!!<殴る音<by アスカ ふげっ!<吹っ飛ぶMakkiy