灼熱地獄の愛
Written by 龍尾  Thanks to Makkiy!!

校舎の裏側にて 「アスカ・・・好きなんだ。付き合ってほしい!!」 「シンジ・・・嬉しい♪」 かくして(短っ!!)二人の恋は実ったわけなのだが・・・ 校舎裏の物陰にてその様子をハンカチを噛んで(古典的)見ていた者が一名。 「そう・・・私は用済みなの・・・?碇くん」 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・・・ 「うわ!何なんだこの地響きは!!」 「シンジぃ〜、怖いよぉ」 「だ・・・大丈夫さアスカ!!僕につかまって!!」 言うまでも無くすでにアスカに抱きついてるのはオマエじゃシンジ!! おっと・・・作者のツッコミ癖が出てしまった。失礼。 と、二人がオレンジ色の光に包まれ・・・ 地響きと共に光が治まった頃には、 二人(+一名)がいた場所には二人の姿は跡形も無く消え去っていた。 「・・・シンジ!!シンジ!!」 「・・・?アスカ、無事だったの?」 何かがおかしい。何がって・・・目の前の世界がまるっきしおかしい・ 目の前にあるのは自分の身長ぐらいあるような・・・何か形容しがたい物体。 何もない広い荒野・・・。アスカの声だけが聞こえている。 「アスカ!!どこ!?」 「ここよ!シンジ!見えないの!?」 ・・・?あ!! 「アスカ!!まさかそこに閉じ込められてるの!?」 「何の話よぉ!!」 「待ってて!!今助けるから!!」 ・・・?何か足がえらく重い。縛られているような・・・何というべきか・・・。 まぁそんな場合じゃないや、早く助けないと!! ズルズルと足を引きずりつつもアスカに近づいていく。 「イヤーーー!!シンジぃ!!オレンジ色のナマコが近づいてくるぅ!!!」 「えぇ!?どこだよ!!」 「アタシの目の前よぉ!!」 「いないよ!?アスカ」 「いるったらいるのよぉ!!早く助けてぇ!!」 早く行かなきゃ!!全速でアスカに接近する。 「・・・キャアーーーーーーーーーーーーーー!!!!!」 悲鳴をあげるアスカに近づいて、それこそオレンジのナマコみたいな物体を手で引っかこうと・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・!? ・・・・・・・手がない・・・・・・てか出ないよ・・・ 何だ・・・何なんだ・・・?何だよこれ。 「フフフフフフ♪」 「な、何だ!?」 荒野に響き渡った声に、辺りを見回してみる。 「うわっ!!」 地平線の向こうから身体をのりだしているのは綾波。 それもえらくデカイ。映画版の時の綾波だ・・・(−−; 「あなたたちには悪いけど・・・唐揚げになってもらったわ。」 「唐揚げ・・・?」 一瞬言っている意味が解らなかったが、 そばに転がっているアスカの唐揚げらしきものを見てなんとなく事態を飲み込めた。 「・・・・・!!何でこんな事をしたんだ!!」 「知らない、私は三人目だから」 「「ハァ!?」」 二人のリアクションが一瞬のズレもなくユニゾンする。 「あ、そうそう、この世界にはモンスターがうようよしてるから注意するのね・・・」 それだけ言うと巨大綾波は無責任に消えてしまった。 「・・・アスカ、どうしようか」 「とりあえず・・・モンスターがいるって言ってたから気をつけないと・・・ん?」 グルルルルル・・・・ 「イヤー!!言ったそばからーーーー!!」 ボコ!!グッショォ!!グチュっ!! 「イヤー!!!シンジぃーーーーーー!!」 衣がボロキレのようになったシンジ唐揚げはモンスター達に引きずられていった・・・(−−; 「・・・・・シンジぃ・・・うぅ・・・ぐすっ」 その場で泣き続けるアスカ。 モンスターの存在も忘れ、泣き続ける・・・ん? 「クックックックックッ・・・」 な、何か・・・?どう致したアスカさん。 「殺してやるわ、あの憎きモンスター共を殺すの・・・。 アイツラを喰ってでも、アタシは生きてやるわ・・・シンジの分までね・・・」 ふっ切れた、というよりブッ壊れ・・・いや何でもありません。 ふっ切れたアスカはシンジの仇討ちと、このイカレた世界からの生還を誓うのでありました。 この世界にも昼と夜はあるようで、とっぷりと日が暮れてしまいました。 しかし!こんな世界だからこそ夜があるのは非常にマズイ!! モンスター達が闇に蠢く時間と相成ってしまいましたぞ・・・!? さぁ、どうするアスカ!! 「このォーーーーーーーーーーーーー!!」 ドスっ!!! 「唐揚げタックルーーーーーーーっ!!!」 グショっ!! 「唐揚げビィームっ!!!」 ピカー・・・・・!!ジュウゥゥゥゥ・・・・・ ビームって・・・(−−;  どこでんなモン習得したんだか・・・・・。 取り合えずアスカにとってはこの世界のモンスター程度では 「犬っころ」みたいなモノのようです・・・。 「ふぅ・・・これだけ倒せば食料には困らないわね( ̄ー ̄ ニヤリ」 えっ・・・!?喰うんですか・・・? 東の空には太陽がすっかり昇り、荒野にも朝がやってきました。 アスカの周りには昨夜の食事の残骸が散らばっています・・・(−−; 全く、唐揚げのくせに肉を喰うなんて大した唐揚げです。 「あぁ・・・眠っ・・・」 そうです、アスカは昨日から全く眠っていません。 自分の唐揚げの匂いは常にモンスターを引き寄せてしまうからです。 最もアスカ自身は「イヤー!!モンスターよぉ!!助けてー!!」というよりは 「食料が来たわね・・・じゅるり」ってな感じなんですが。 まったく、シンジ君の仇討ちと言えるのかどうか・・・。 「シンジは生きてるわ・・・絶対に。」 おぉ!?忘れていたわけじゃないんですねアスカさん!! 「アイツはあんな事では死なないわ・・・それに、解るの・・・」 ほう・・・何がでしょう? 「シンジの声が聞こえるの・・・ ・・・ついに頭までイってしまわれたか・・・へぶっ!! =○`Д゚) 「・・・「僕は大丈夫だから、アスカ、絶対死なないで」ってね」 さいですか・・・(T T) ハァ・・・もうついていけん バタッ>■○二(作者死亡) 「フフフ・・・どう?調子は」 巨大ファースト!!・・・こいつ!! 「?碇くんは?」 なぁーにが「碇くんは?」よぉ!!\(▼▼メ)/ アンタのせいで・・・アンタのせいでぇぇぇぇぇーーーー!! 「・・・モンスターに引きずられていっちゃったわよ」 「!?煤i ̄□ ̄;)」 ・・・・・。 ・・・・・。 ・・・・・。 「・・・うそ・・・。」 「ウソ言ってどうすんのよっ!! アンタこうなる事ぐらい考えられなかったのー!? こんの、バカー!!\(▼▼メ)/ 「・・・碇くんがいないのならもうどうなってもいいの・・・、 私が直々に揚げなおしてあげるから」 「ちょっとちょっと!!殺す気ぃ!?\(▼▼メ)/」 「碇くんがいてもいなくてもだけど・・・ ばぁさんは用済みよ・・・」 「ふざけるなァ〜!!(ノ▼▼メ)ノ ~┻━┻」 「フフフ・・・覚悟するのね・・・」 巨大綾波の箸につまみあげられるアタシ。 そして、そのまま一気に煮えたぎった油の海みたいなところまで連れて行かれた。 (ああ・・・シンジぃ・・・アタシ、もうダメみたい・・・ごめんね) 「やめろーーーーーっ!!」 この声は・・・シンジ!! 岩陰からのこのこと出てくる唐揚げシンジ。 こんな場合に言ってられる事じゃないけど・・・滑稽ねぇ(−−; どこからか「無様ね・・・」とかいう金髪女の声が聞こえてきそうだわ・・・(−−; 「綾波!!バカな真似はやめてよ!!」 「・・・碇くん・・・。」 「シンジ!!助けてよぉ〜。」 「綾波!!アスカを離すんだ!!」 ファーストは少し考え込む。 「駄目・・・私は碇くんが好きだから・・・この女は邪魔なの。」 「「!?」」 まさかこの無表情冷血女から「好き」なんて言葉聞くなんて思わなかった。 シンジも少し戸惑っているみたい。でも、シンジは言ったの。 「綾波、それはすごい嬉しいよ・・・でも」 「・・・でも?」 「僕はアスカが好きなんだ!!」 シンジぃ〜。嬉しいよぉ。 「わかってるわ・・・だから消すの・・・アスカがいなくなれば・・・碇くんは私を見てくれる・・・だから食べるの。」 そう言いながらファーストは箸先のアタシを煮えたぎる油に近づけて行く。 「ちょっと!アンタ肉キライじゃなかったの!?」 「・・・・・・・・・・・。」 よっしゃ!手が止まったわ!!助かるかも!!ここで追い込むわよ!! 「アタシを食べたら口の中に地の味がじっ・・・わ〜〜〜〜っと広がるわよぉ〜? それでも食べるって言うの〜?」 「・・・ええ。」 「「!?」」 「キライだからこそ、碇くんを想っているから食べるの・・・ 碇くんへの想いからすれば何でもないもの・・・・・ 嗚呼・・・何て健気な私・・・」 ちょっとぉ〜!!アンタイカレてるわ!!あ〜!もうダメ・・・・・!!!!! 「やめろよ!!」 シンジのその言葉にファーストの箸が止まる。 シンジは俯きながらも身体(衣?)を震わせている。 「いかりくん?」 「そんな綾波なんて・・・ 大嫌いだ!!」 「え・・・・・」 ファーストの手の力が抜け、アタシは油の海に落ちていく。 もう今度こそダメなんだわ・・・さようなら、シンジ・・・・・。 でもその時だった。 シュウウウゥゥゥゥゥ・・・・・ 世界が眩しく光を帯びて、荒々しかった荒野が景色を変えていく。 その変化の様子を見ながら、アタシは水面へ落ちて行った。 バシャアアアァン!! 「キャー!!冷っ!!」 アタシは訳がわからなくて辺りを見回す。 ここは・・・何か見たことあるような・・・ そうだ!!中央公園の噴水・・・!?シンジ・・・シンジは!? 「シンジ!?」 「ここだよアスカ」 声のした方を振り返ると、そこには以前と変わらない制服姿のシンジがいた。 「シンジ!!」 たまらなくなってアタシはシンジに飛びつく。 シンジもしっかりと受け止めてくれた。 「シンジ・・・よかったぁ!!」 「それは僕の台詞だよ・・・ホントに・・・最後はどうなるかと思ったよ。」 「シンジの強さがアタシ達を救ったのよ!!ありがと!!」 「アスカ・・・ぐっ・・・!!」 アタシはシンジと唇を重ねた。 三十秒・・・一分・・・・・ 「うぐ・・・む・・・」 さすがにシンジも息がきつくなってきたかな? アタシも苦しいからこれくらいでよしてあげようか・・・フフ。(^^ 「ぷはっ!!はぁ・・・はぁ・・・アスカ・・・」 シンジは苦しいせいもあるだろうけど、頬を真っ赤にしてる。 「もう!!だらしがないんだから!!アタシのファーストキスよ!!有難く思いなさいよ!!」 「だって・・・って!!ファーストキスぅ!?」 「そ・・・そうよ、文句あるの!?」 改めて考え直すと顔が熱くなってくる。 「あ・・・そ、そうなんだ、ハハハ。・・・・・!?」 「?どうしたのよ。」 シンジが急に黙りこんで少し下の方に視線を固定している。 でもその視線の先ですら定まることなくキョロキョロしている。 ・・・・・!!あ〜っ!!!!! アタシの制服は水でグッショリ濡れて下着が透けていた。 「シンジ・・・?」 「・・・へっ!?あ、な、何かな、アスカ(^_^;)」 バッチイイイィィィーーーン!! 「エッチ!バカ!!ヘンタイ!!! もう、信じらんなあぁぁーーーいっ!!」 思いっきり平手打ちをくらわせた後、大声で叫んでアタシはシンジを置いて走り出した。 「待ってよ〜、アスカ〜!」 シンジもすぐにアタシの後を追って必死に走ってくる。 今、こんな日常が、アタシには改めて、新鮮に、幸せに思えた。 「捕まえてみなさいよ〜!!バカシンジ♪」 Fin.
はぁ・・・ホントしょうもないネタを実現させてしまいました。 ちなみに世界が元に戻ったのはシンジの言葉にショックを受けたレイの魔力(?)が弱まったからです。 本当はエピローグがあって、レイが「また唐揚げ地獄に送ってやるわ」などと言っているんですが・・・ 続編への伏線か!?とか思われたら大変だし、スッキリしないので削除しました。 ハッキリ言って、こんな壊れストーリー描くの疲れます(−−; 私の作風ちゃいますやん、コレ。 しかも私の作品中最大の文量になった上に、初めて文字色加工まで・・・!!(T T 疲労MAX つーわけで、続編は99.8%あり得ません。 ま、最も「続編お願い♪」メールが大量に来れば話は別ですが♪(^^  というわけでMakkiyさん、みなさん、これからも龍尾をよろしくお願いします。
龍尾さんより投稿小説を頂きました〜。 実はこの唐揚げネタ、自分が適当に提案したんですが、龍尾さんが 本当に書いてしまわれたんです(^^; 唐揚げになっても、アスカとシンジの二人の絆は鎖よりも固いですね〜。 龍尾さん、ご投稿ありがとうございました。
[戻る]