高梁市青年経済協議会(西孝夫会長)と高梁商工会議所は合同で、6月11日(木)午後7時、高梁商工会館に於いて、「チャレンジ経済塾」を
開催いたしました。当日は、約50人が出席、同協議会西会長の挨拶の後、講師にお招きした、『財政の巨人幕末の陽明学者山田方谷』、の著者で、
陽明学研究家・作家の林田明大先生より「不況、逆境に“揺れない心”」をテーマに講演をいただきました。
林田先生には「今、オリジナルな儒学の思想を勉強しておくことが必要だ。そこには、人生を生き抜く心構え、心の持ち方のアドバイスが書いてある。昔は貧しい生活の中でも、ロウソクの火で仏教の経典・儒学を学んだ。 それに比べ現在は、儒教の心構え勉強していない。会社で偉い地位に就く、権力の座に座ったら悪いことを平気でしている。 (清濁あわせ呑む)と云う言葉がある。自分を律してきちんとしている人が言うのならまだ分かるが、現状、自分がいい加減だから、そういう言葉を好んで使う人がほとんどだ。 つまり、清濁あわせ呑むとは、いい加減ということで、大人が正しいと勝手に思っている間違った考え方だ。自分さえ良ければと、現在はモラルが低下している。 また、心が弱いということは、誘惑に負けることにつながる。例えば何らかの失敗で、収入が急に減ったとしても、貧しさに負ける人と負けない人がいる。逆に、裕福になると俺はすごいんと傲慢になる人がいる。これは、お金に呑まれているいることであり、お金で人格、付き合い方が変わっている。貧乏・裕福になっても心が負けないで生きていくことが大切だ。
また、知行合一とは知と行はもともと一つであるという考え方だ。通常、損得、生死等区別して考えるが、本質を見ると区別はない。コインの表裏の関係と同じ一体であり片方だけでは、成り立たない。苦楽、幸不幸などは人間が勝手に思っていることで、ぜったい損、ぜったい得ということはない。
例えば、裕福な家庭に生まれれば、幸せと言われるが、親をあてにして生き、人間的に貧しくなっていくので不幸だとも言える。逆に貧しいと親をあてにできず工夫と努力を強いられるので、やがて自立する。自分にとって楽しいことだけを求め、辛い事から逃げているいると人間力は身につかないと言うことだ。
また、麻雀の神様の異名を持つ20年間不敗の雀士・桜井章一氏は〈麻雀の中には流れがあり、流れに逆らうから負ける。そして、その流れ(本質)は私欲、勝とうとする欲望があれば見えない〉と言っている。一流になるとテクニックは同じ位で、心が揺れるかどうか、心の強さが勝負を決める。心を鍛える努力が、必要だ。
潟Cエローハット創業者の鍵山社長は、だれもができるがやりたがらないこと、やっても意味がないないと思われているトイレ掃除を30余年間一途にやって来られた。だれもがやらないことをするには、積極性と勇気がいる。 細心の注意も必要。そこで得られる慎重さ、工夫は仕事の中にも生き、積極的な人間になる。毎日の掃除の中で、昨日は、30分かかったが、今日はもっと効率的にという、その工夫と努力に価値がある。
営業も常に工夫が必要で、昨日と同じパターンで努力していても実力はつかない。
日常生活の中でのルーズさは仕事上でも出てくる。何でも雑な人は仕事も雑。日常生活をきちんとし、自分自身が変わらないと仕事もかわらない。また、雑用と仕事の区別はない。心をこめた洗い物は、心をこめた仕事に通じる。心をこめた挨拶や仕事から信頼関係が生まれ、取り引きするなら彼に……となる。不況の時だからこそ、心をこめた仕事に心がけ、順境であれ逆境であれ、晴れの日であれ雨の日であれ、どんな時にも心を強く持つよう努めていただきたい」とお話しいただきました。
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