HACCPシステムによる衛生管理について
※現在、A基準、B基準という呼称は使われていません。従前のA基準は「HACCPに基づく衛生管理」、またB基準は「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理」に変更されています。このページでは、これまでどおりの表現を使っています。
 食を取り巻く環境は、近年大きく変化しており、食のグローバル化、国内における輸入食品の増加、外食・中食のニーズ拡大等食形態の変化、健康志向の高まりによる健康食品の利用の増加、広域的な食中毒やO157等による深刻な食中毒の発生、異物混入等による相次ぐ自主回収の報道等によって、消費者の食の安全に対する関心が一層高まっています。
 一方、毎年海外からの旅行者が増加しており、2020年に開催予定の東京オリンピックを契機として、更に多くの旅行者が日本を訪れ日本の食を堪能されることが予想されます。
 こうした状況にあって、国は、国内で生産、製造、加工等される食品の更なる安全確保、輸入食品の一層の安全確保、食品衛生管理の国際標準への整合化等を目的として、平成30年6月に国際標準の食品衛生管理手法である「HACCPシステムによる衛生管理」を基本とする衛生管理を義務付ける法改正を行いました。
 国や地方自治体の行政機関、食品業界団体、公益社団法人日本食品衛生協会(以下「日本食品衛生協会」という。)では、HACCPの普及推進を目的に関連事業を推進するとともに、HACCPを普及する上で重要な役割を担う人材育成等を目的とした各種講習会等を開催しています。
 
 一般社団法人岡山県食品衛生協会では、国や地方自治体の動向、公益社団法人日本食品衛生協会が発する情報の提供に努め、会員の皆様をはじめ食品等事業者のHACCPシステムによる衛生管理の取組を応援します。
 
1 HACCPとは? 
 NASA(アメリカ航空宇宙局)において、宇宙食の安全性確保を目的に開発された管理手法で、食品の製造・加工工程のあらゆる段階で発生するおそれのある微生物汚染等の危害要因をあらかじめ分析(HazardAnalysis) し、その結果に基づいて、製造工程のどの段階でどのような対策を講じればより安全な製品を得ることができるかという重要管理点(CriticalControlPoint)を定め、これを連続的に監視することにより製品の安全を確保する衛生管理の手法です。
 危害要因分析重要管理点の英語表記の頭文字をとってHACCP(ハサップ、ハセップ等呼称は様々です)と表現しています。

 この手法は国連の国連食糧農業機関(FAO)と世界保健機関(WHO)の合同機関である食品規格(コーデックス)委員会から発表され、各国にその採用を推奨している国際的に認められたものです。
 HACCPシステムを活用した衛生管理の概要については、厚生労働省のリーフレットをご覧ください。

 厚生労働省のリーフレット(PDF)

 
2 HACCPシステムによる衛生管理の制度化の概要は?
 今回の法改正で、国は食品の製造、加工、調理、販売を行う食品等事業者に対し、コーデックスのガイドラインに基づくHACCPの7原則を要件とする基準(A基準)を原則としつつ、小規模事業者や一定の業種については、コーデックスHACCPの7原則の弾力的な運用を可能とするHACCPの考え方を取り入れた衛生管理の基準(B基準)を導入しました。
 
3 A基準が適用されるのは?
 と畜場、食鳥処理場の他に、食品衛生法が適用される5及び7に掲げる営業者を除く食品等事業者に適用されます。
4 A基準の内容は?
 コーデックスのガイドラインには、@危害要因分析、A重要管理点の決定、B管理基準の設定、Cモニタリング方法の設定、D改善措置の設定、E検証方法の設定、F記録と保存方法の設定が7原則とされており、この7原則を要件とするHACCPシステムがA基準です。
 これについては、厚生労働省が作成した手引書やモデル例をご覧ください。

  厚生労働省が作成したHACCP導入のための手引書 ・ モデル例
5 B基準が適用されるのは?
 B基準の適用範囲は次のとおりとなりました。(簡略化して記載しています。)

  @食品を製造、加工する営業者であって、工場に併設又は隣接する店舗で、当該工場で製造、加工した食品の全部又は大部分を販売するもの

  A飲食店営業者(学校、病院等いわゆる集団給食施設の設置者又は管理者を含む。)

  B喫茶店営業者

  Cパン(概ね5日程度の消費期限のもの)を製造する営業者

  Dそうざい製造を営む営業者

  E調理機能を有する自動販売機により食品を調理し、調理された食品を販売する営業者

  F容器に入れられ、又は包装された食品のみを貯蔵し、運搬し、又は販売する営業者

  G食品を分割し、容器に入れ、又は包装し販売する営業者

  H食品を製造し、加工し、貯蔵し、販売し、又は処理する営業者のうち、食品の取り扱いに従事する者の数が50人未満である小規模事業場を有する営業者(50人以上の大規模事業場を有するときは、当該事業者が有する小規模事業場についてのみ適用)
6 B基準の内容は?
 製造や加工等の工程や特性が異なる様々な食品の製造工程等の管理について、コーデックスHACCPの7原則の弾力的な運用の中身をわかりやすく簡潔にお示しすることはできませんが、「食品等事業者団体による衛生管理計画手引書策定のためのガイダンス(平成29年3月17日付け生食監発0317第3号)(pdf)」「同ガイダンスの一部改正(平成29年6月22日付け生食監発0622第1号)(pdf)」に基づき、業界団体において業種ごとに手引書が作成されています。この手引書が参考になるでしょう。
 様々な業界団体が手引書作成に尽力されている中で、日本食品衛生協会は、食品等事業者の大多数を占める小規模飲食店向けの手引書を作成しました。同手引書は、日本食品衛生協会のホームページや厚生労働省のホームページにアップされていますのでご覧ください。

 日本食品衛生協会のHACCPに関する情報
 業界団体が作成した手引書(小規模な一般飲食店(B基準)等)
 
7 HACCP管理が適用されない(「衛生管理計画及び必要に応じ手順書の作成」を要さない)事業者は? 
  次に掲げる事業者については、原則としてA基準又はB基準によるHACCPに沿った衛生管理が適用されません。

  @食品又は添加物の輸入をする営業者

  A食品又は添加物の貯蔵のみ又は運搬のみを行う営業者

  B容器に入れられ、又は包装された食品又は添加物のうち、冷蔵又は冷凍の温度管理を要さないもの(いわゆる常温保存可能品)のみを販売する営業者

  C器具又は容器包装を輸入し、又は販売する営業者
 
8 HACCPシステムによる衛生管理を導入するにあたって認証取得等が必要ですか。?
 HACCPシステムの導入を大手食品等事業者に普及しているHACCP認証の取得と勘違いされる方がいますが、認証を取得する必要はありません。
  なお、ISO22000、FSSC22000等の食品安全マネジメント規格はコーデックスHACCPと同様の要件を満たしていると考えられています。
   ※コーデックスHACCP同等と考えられている主な食品安全マネジメント規格例:JFS、ISO22000、FSSC22000、SQF
 
9 HACCPの普及、定着はどのように進められるのでしょうか?
 大多数を占める小規模事業者に、余りなじみのないHACCPシステムに沿った衛生管理を定着させるのは容易ではありません。そこで、HACCPシステムに沿った衛生管理の定着に向け、国、地方自治体、業界団体がそれぞれの立場で役割を果たすことになっています。
 国の役割:HACCP導入手引書やモデルプランの作成。業界団体の手引書作成への支援
 地方自治体の役割:食品衛生監視員による監視・指導・助言
 業界団体等の役割:個別の食品・業態ごとに手引書を作成
10 HACCPの制度化に関する法改正の状況は?
  施行期日は令和2年6月1日となりました。ただし、さらに1年間の経過措置期間が設けられていますので、実質上の完全施行は令和3年6 月1日です。
11 HACCPに沿った衛生管理を実施していないと営業許可は取得できないのでしょうか?
 営業許可の申請や更新時等にHACCPに沿った衛生管理の基本となる「衛生管理計画」を確認される可能性はありますが、衛生管理計画は許可の判断基準には含まれていません。営業許可は、従前どおり施設基準に基づいて判断されます。
 ただし、「衛生管理計画」を作らなくてもよいということではありません。
12 HACCPに沿った衛生管理に関する厚生労働省の各種Q&A(こちらを参照

※HACCPに関するその他の情報
 厚生労働省のHACCPに関する情報
 農林水産省のHACCPに関する情報 
 岡山県のHACCPに関する情報