石の心に 2001/02/04
おさみし山から降りてきた雪の精は
厳めしい冬を彩る
流れる時に遅れまいと
青白いレースのドレスひらひら
凍てつく空の下
人間たちの行列は続く
生き急ぎ踊る姿には笑顔もなく
いつしか心ゆがみ悩み
もはや基本のステップも踏めない
色あせた欲望と挫折だけが
痩せた狼の遠吠えのように
とわに繰り返される街
青白いレースのドレスひらひら
石になった心に
雪の精はささやく
悲しみの夜こそ耳をすまして
優しい音に気付いてほしいと
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