郊外には稲穂が広がり 高原の道には秋の風が吹く 茂みに分け入れば アケビの蔓が灌木に絡みつき パックリと開いた実もあやしく熟れて 少年のころの冒険の思い出を呼び覚ます 誰にも逃避とはいわせない これは個人的な儀式だ 残酷な都市は優しいふりをして 若者たちに煌びやかな夢を見せては いくつもの皮肉なプレゼントを用意していた 人間の弱みにつけ込む巧妙な罠だ そして そこにこそ僕らの日々の時間もある いくら悲しみを胸に刻もうと そこに僕らの日々の時間もあるのだ いくら悲しみを胸に刻もうと 僕らの人生は続く 臆病者が再び立ち上がるためには 時には儀式も必要になる 幸いにも街には居酒屋があふれ 本棚にはブランディーの小瓶もある 君だってこんな時間から 日だまりの中に座り込みたくはないだろう さあ カードを配ってくれ |