君に告げる言葉として 2003/01/15
例えば窓ガラスを伝う雨粒のように
あるいは壁の醜いシミのように
折々の形で
時には野獣の快楽にまみれ
時には哲学者の空しい静けさのなかで
黙々と引きずってきた虚ろな風景
断崖に立つ孤独な狼の夜毎の遠吠えや
盛り場の喧噪に隠れるギャングのニヒルな笑顔にも似た
絶望的な繰り返しのなかで
ポテトチップスとジョッキ片手に
ふと見上げた夜空
過ちだったのか希望だったのか
それらのすべてをいま
短い言葉に託し
土に刻むから
いつの日か掘り起こしてみて欲しい
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