待ちわびる心
2015/01/22
冬の風が西バイパスを吹き抜けてゆく
両手をポケットに突っ込み肩をすくめて歩く老人風情には
もはやいささかの興味もないといわんばかりに
枝から離れた花梨の実は見捨てられたように地に堕ち
声を潜め何かを待っているのか
無残に息絶えているのか
ことごとくが微動だにしない
忘れられたような足元には
それでも陽だまりがある
気まぐれな雲と
枯れ枝の影とに縁取られた小さな陽だまりだ
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