老木           2003/09/19


夕闇迫る広場には太鼓や笛が踊り
色めく道には屋台の列
素足に下駄の若い母親
無口なお面の男
妖しい神社裏の闇
 
祭りは一瞬の花だ
だからこそ捧げる乱舞
君と掲げる杯は
時の流れの記憶の詩(うた)
 
悲しみと空しさと希望をまさぐりながら
世捨て人のように笑おう
 
 

 
詩集に戻る