運命 1996/05/04/10:49
田舎の神社の境内
ちかちかとまぶしい坂道で小石に躓いた少女は
擦りむいた膝小僧を押さえ
美しい笑顔に染まった
町の路線バスが急停車
ふわふわと 床に倒れた老婦人は
わずかに恥じらい
金色の入れ歯をのぞかせた
世界を照らす太陽は
風が運ぶ分厚い雲に光を遮られても
分厚い雲が雨となり 嵐となって
地上の多くの生命を奪い去っても
太陽は悠久の笑顔で
宇宙を照らし続けている
太陽は知っているのだ
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