盂蘭盆 2001/08/15
薄紫の明かりの先は
ああ なんて幻想的なんだろう
ゆらめく煙は光り際だち
線香片手にはにかむ少女たち
老いた男は歴史を穿ち
影が動けば揺れる水鉢
伽藍を抜ければ白い道
石に額ずけば千変万化に香る土
汗を拭う空に迫る夕立
双眸(ひとみ)閉じ抱きしめる8月の天地
■ 薄紫のお線香がたちこめる首無地蔵にお参りし、その先の明るい山道を進むと、ムッシュ家の墓所があります。
誰に笑われようと、今僕は、目に見えない力によって生かされていると強く感じています。
お墓の前では、ご先祖さまのことを思い浮かべながら、素直な心で、手を合わせました。
詩集に戻る