YMOの3人が、また活動を開始するらしい。 YMOの正式名称は「イエロー・マジック・オーケストラ」。今回は、14年ぶりの新曲「RESCUE」を8月22日に発売するということで、その宣伝をかねてテレビでインタビューを受けてたんです。 ユニット名は、YMOの前に「HAS」を加えて「HASYMO(ハシモ)」として活動すると、坂本龍一氏が話していました。別のニュースで調べたら、HASというは「ヒューマン・オーディオ・スポンジ」の略称で、イギリスの音楽家デヴィッド・トゥープが「何でも吸収する現代人」を皮肉って考案した造語らしい。新曲は、R&Bを現代風にアレンジしたような曲とのこと。 3人はゆったりとソファーに腰を落として、新しいことをやりたいからまた集まった、みたいなことを口々に話していました。何も、古い曲を演奏するために集まったわけじゃないんだと。 そのとき、高橋幸宏氏が、「アナクロに興味はない」といったんです。懐古趣味じゃないんだと。 珍しいことだなと思いましたよ。 懐古趣味を否定する心意気は、彼らの年齢を考えると驚きです。僕はもう、どっぷりと懐古趣味モードですから。自作CDだって、どろどろの自分史みたいなものですし。 でも、くやしいから、この際少し絡んでおくと、昔の曲には興味がないといってましたが、音楽家として、そういう姿勢でいいのかな。ジャズ限らず、「同じ曲でも日々新しい」というミュージシャンは少なくありませんよね。譜面は同じでも、同じ曲じゃない。同じ演奏はしない。そこに真剣勝負の部分があると。 でも高橋氏は、そうじゃないんだ。同じことを単調に繰り返してる人だったということなんでしょうかね。 ま、人それぞれ。それはそれで自由です。 でも、懐古趣味を認めると、なんとなくうしろ向きの軟弱人間を認めたみたいな気分です。上等ですけど。 ところで、絵には楽譜はありませんよ。 ゆってみれば、毎日が新曲です。 などと吠えてみたところで、屁のツッパリにもなりませんか。同じ絵しか描かない有名な大家もおられますし。 ★ 余談ですが、精神科医の斎藤茂太氏が「イチローを育てた鈴木家の謎」という本の中で書いておられました。 長男は、芸術家や趣味人が多い、と。 そしてそうした人たちのほとんどは、同時に、趣味と職業とを厳密に区別しているタイプが多い、とも。 僕に照らせば、いちいちごもっともだけど、そうなんですか? |