♪ めずらしく街は 星でうずもれた 透みきるはずの 体のなかは 氷のように 冷たい言葉で 結ばれた糸が ちぎれてしまう 心が痛い 心がはりさけそうだ… 昔のリリィしか知りません。 僕のベスト3は、 @「私の映画」…これは、印象的な歌を歌うなあと思った、出会いの曲。 A「寝つかれなくて」…これは、軽妙な悲しさが好き。それとあと、冒頭の、 B「心が痛い」。 自分のことを棚に上げて言うと何ですが、50人も入れば満席になってしまう、この小さなライブ喫茶に集まる人たちは濃いんです。 シャイな僕は、人見知りして、じっとうつむいて。 ここは、絶対、僕なんかの座る場所じゃない。 来るんじゃなかった…。 いつも、きまって、そういう気分に包まれます。 一刻も早く帰りたいと思ってしまう。 岡山県笠岡市、高田渡が愛した、カフェ・ド・萌。 唯一の救いは、ママの明け透けな指図と、笑顔。 でも、どうしてあんなに濃い人たちばかり集まるのでしょうか。(^^)
さすが、人類愛のシンガーソング・コメディアン。 素晴らしかったけど、リリィさんが登場して、彼の記憶は、吹っ飛びました。(^^) 本当に、楽しいひとときでした。 個人的には30年の時を越えて。 とんがっていながら繊細な、不思議な詩を書く少女から、ちょっと見た限りでは別人の、素敵な女性に変身していたリリィさん。 しっとりとした佇まいで。 来てよかった。 でも、ベルリン映画祭で、彼女が主役を勤めた映画が新人作品賞を取った話になって、洋士氏が、 「リリィが、『母べえの吉永小百合に勝った』といった」と暴露していました。 映画の話は、これを読んで。 それを聞いて、やっぱり彼女の中身は変わってないなと変な安心をしました。 「私の映画」の尖がってたリリィさんと、根っ子は変わってません。同一人物です。 サインももらって幸せ。
この日、最大の話題は、「小さな人生」について。 Twin-Vocalとしてのリリィ&洋士、最初のオリジナル曲とのこと。 洋士さんのことをリリィさんが歌にした。 「小さな人生ですよ、どう思います?」と、自分のことを小さな人生といわれて、彼は何となく不満そうです。その気持ちもわからなくはないけど…。 「そんなことない、いい詩ですよね」 そう自負するリリィさんも正しい。 デッカイ夢を追いかける人生が、何も、素晴らしいわけじゃない。 小さな幸せをたくさん集めて、手のひら一杯にする人生って、悪くないと思うし、逆に、大きな人生って、なーんか、嘘の人生のような気がするんですよね。むなしい、虚の人生ですよね。 もし仮に、有名になれたとしても、所詮は、虚名。 素敵な曲だから、ぜひ聴いてみてください。 そう勧めようと思って調べました。 この日のCDは、デビュー前に作った自作版だったんです。まだ5百枚残ってるから、こっちを持って来た、と。 メジャーデビュー版はこれ。 「小さな人生」は、入ってませんね。(^^) こんな感じなんです。 ♪ 酒場の片隅で朝まで爪弾いた 俺の(リリィさんは「わたしの」と歌っています)音色を覚えているかい あんたに聞かせてた 朝まで聞かせてた 俺の音色を覚えているかい ざわめく店のその真ん中で 瞳を落として長く頬杖ついては 溜息まじりの酒を飲み干し ふらつく指先で他の何か求めてる あんたが信じてた少しの幸せで 生きて行くのさ 小さな人生 (中略) 少しの幸せその手に集め 膨らむ両手をいつか俺に見せてくれ(「わたしに見せてね」と歌ってます) あんたが旅する小さな人生 そんなに悪くは そんな悪くはないはず あんたが信じてる少しの幸せで 生きて行くのさ 小さな人生 洋士さんが、お店に張ってあるミュージシャンの名前や写真を見ながら、「凄い人たちが来てますね」と、ため息。 リリィさんは、「お酒の銘柄かと思った」。 いわれてみれば、そんなふうに見えなくもないからおかしい。
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