大人の女性とわがまま娘が同居してるリリィさん  2008/07/24
 
 
 ♪  めずらしく街は 星でうずもれた
    透みきるはずの 体のなかは
    氷のように 冷たい言葉で
    結ばれた糸が ちぎれてしまう
 
     心が痛い 心がはりさけそうだ…
 
 昔のリリィしか知りません。
 僕のベスト3は、
 @「私の映画」…これは、印象的な歌を歌うなあと思った、出会いの曲。
 A「寝つかれなくて」…これは、軽妙な悲しさが好き。それとあと、冒頭の、
 B「心が痛い」。
 
 自分のことを棚に上げて言うと何ですが、50人も入れば満席になってしまう、この小さなライブ喫茶に集まる人たちは濃いんです。
 シャイな僕は、人見知りして、じっとうつむいて。
 ここは、絶対、僕なんかの座る場所じゃない。
 来るんじゃなかった…。
 いつも、きまって、そういう気分に包まれます。
 一刻も早く帰りたいと思ってしまう。
 岡山県笠岡市、高田渡が愛した、カフェ・ド・萌。
 唯一の救いは、ママの明け透けな指図と、笑顔。
 でも、どうしてあんなに濃い人たちばかり集まるのでしょうか。(^^)
 
リリィ&洋士
 7月4日、司会役?! の田代ともやさんには、素晴らしい人間性を感じました。
 さすが、人類愛のシンガーソング・コメディアン。
 
 素晴らしかったけど、リリィさんが登場して、彼の記憶は、吹っ飛びました。(^^)
 本当に、楽しいひとときでした。
 個人的には30年の時を越えて。
 とんがっていながら繊細な、不思議な詩を書く少女から、ちょっと見た限りでは別人の、素敵な女性に変身していたリリィさん。
 しっとりとした佇まいで。
 来てよかった。
 でも、ベルリン映画祭で、彼女が主役を勤めた映画が新人作品賞を取った話になって、洋士氏が、
「リリィが、『母べえの吉永小百合に勝った』といった」と暴露していました。
 映画の話は、これを読んで。
 それを聞いて、やっぱり彼女の中身は変わってないなと変な安心をしました。
「私の映画」の尖がってたリリィさんと、根っ子は変わってません。同一人物です。
 サインももらって幸せ。
lily-yoji
 
 この日、最大の話題は、「小さな人生」について。
 Twin-Vocalとしてのリリィ&洋士、最初のオリジナル曲とのこと。
 洋士さんのことをリリィさんが歌にした。
「小さな人生ですよ、どう思います?」と、自分のことを小さな人生といわれて、彼は何となく不満そうです。その気持ちもわからなくはないけど…。
「そんなことない、いい詩ですよね」
 そう自負するリリィさんも正しい。
 デッカイ夢を追いかける人生が、何も、素晴らしいわけじゃない。
 小さな幸せをたくさん集めて、手のひら一杯にする人生って、悪くないと思うし、逆に、大きな人生って、なーんか、嘘の人生のような気がするんですよね。むなしい、虚の人生ですよね。
 もし仮に、有名になれたとしても、所詮は、虚名。
 素敵な曲だから、ぜひ聴いてみてください。
 そう勧めようと思って調べました。
 この日のCDは、デビュー前に作った自作版だったんです。まだ5百枚残ってるから、こっちを持って来た、と。
 メジャーデビュー版はこれ
「小さな人生」は、入ってませんね。(^^)
 こんな感じなんです。
 
 ♪ 酒場の片隅で朝まで爪弾いた
   俺の(リリィさんは「わたしの」と歌っています)音色を覚えているかい
   あんたに聞かせてた 朝まで聞かせてた
   俺の音色を覚えているかい
 
   ざわめく店のその真ん中で
   瞳を落として長く頬杖ついては
   溜息まじりの酒を飲み干し
   ふらつく指先で他の何か求めてる
   あんたが信じてた少しの幸せで
   生きて行くのさ 小さな人生
     (中略)
   少しの幸せその手に集め
   膨らむ両手をいつか俺に見せてくれ(「わたしに見せてね」と歌ってます)
   あんたが旅する小さな人生
   そんなに悪くは そんな悪くはないはず
   あんたが信じてる少しの幸せで
   生きて行くのさ 小さな人生
 
洋士さんが、お店に張ってあるミュージシャンの名前や写真を見ながら、「凄い人たちが来てますね」と、ため息。
リリィさんは、「お酒の銘柄かと思った」。
いわれてみれば、そんなふうに見えなくもないからおかしい。
萌の一部
 
 
 

 
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