メダカの宿題2004春    2004/05/23
 
 
 昨年は、水ぬるむ3月ともなると、睡蓮鉢の表面には、生まれたてのメダカの赤ちゃんたちが、チロチロ動いていたものでした。それなのに、今年はというと、もうやがて6月になろうかというのに、稚魚はゼロ。
 
 そう書いたのは昨日のことでした。
 今日は、赤メダカの鉢をチェックしました。赤メダカは比較的に繁殖力があり、我が家では2鉢になっています。
 今日は意を決して、水草の小さな枝と枝の間に隠れているタニシの赤ちゃんを見つけては、彼らを川に運ぶ容器に移していました。すると、意に反して、繁茂した水草の緑の中に、結構たくさんの赤メダカの卵を見つけることができました。早速保護してやりましたとも。しあわせ、しあわせ。
 黒メダカの鉢では、もっと驚かされました。
 団扇のような葉の水草を掻き分けてみると、その下に揺れている、水中浮遊性の、クリスマスのモール飾りのような形の水草のジャングルの中に、黒いオチビさんたちがウジャウジャ元気よく泳いでいるではありませんか。
 まさに、そこに自然がありましたよ。
 思わず感動しました。これぞ種の生命力というか、エネルギー。しかし同時に、こうして弱い種は滅びるのだということも、教えられた思いでした。
 
 しばらく庭に立ち尽くしていた僕は、最終的には、黒メダカの鉢は、タニシも含めて、自然にまかせることにしました。あるがままの世界で、たくましく命を燃やしてほしい。
 赤メダカの鉢は、一応タニシは除去しました。一応、です。おそらく完全には取れていないだろうと思っています。水草の陰に、透明な露のように天然の擬態効果で隠れていますから。そして、それはそれで命であり、かわいい意味もあります。
 そういう次第なので、赤メダカ組については、これからは、タニシに気が付いたら取り除く程度にしようかなと思っています。まぁ、基本的には、メダカとは一緒にはしたくないわけですけど。
 さて、やや繁殖力の弱いと思える青メダカについては、今日の作業では、いくらか卵を保護することが出来ました。でも、白メダカは気付かないうちに2匹になってしまってたし、極めて繁殖力が弱いように感じます。この青と白は、最大限の注意力で、あたかも天然記念物扱いで、守ってやらねば。そうしないと、絶滅するに違いありません。
 
 それにしても、何かの変化の度に毎回のように教えられ、考えさせられ、重い宿題を与えられる気分です。
 いくら詭弁を弄そうとも、生きるということは、つまりは、殺すということ。
 認めたくないけど、目をそらしても、本当は、いけないんでしょうね。
    
 
 

 
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