メダカの産卵が終わりを迎えつつあるようです。 今年は、失敗と驚きの繰り返しの中、たくさんの稚魚を保護しました。 失敗は成功の母。 この春、職場を異動し、激務の中に放り込まれました。別に特別困難な仕事ではありません。ただ、その量が殺人的で、いつも考えながら走っている感じだったのです。気が休まるときがありませんでした。 そこで一心不乱に責任を全うしていましたが、ついに、体調を崩してしまいま した。少し休んでも、容易に元に戻りません。肉体的な疲れは取れても、気持ちが元に 戻らないのです。 もう、ダメだと思いました。こんなことでは、もう誇れるような仕事はできない、と。 つい弱音を吐くと、娘は、「男の人にも更年期があるらしいよ」といいます。 それを聞いて、調べてみました。 考えられるのは、激務に伴う過剰なストレスによる、脳内物質の分泌異常。ア ドレナリンが、体内を駆けめぐっていない感じがするのです。激しい怒りを感じ たときなど、以前にも黙り込んでいたくなるときはありました。いわゆる鬱状態です。とはいえ、元々鬱は友達。魂の別荘みたいなものです。そんなとき僕は、しばしばいい詩を書いた気がします。社会的評価は別にして、そこには、精神世界との対話がありましたから。が、今回は、様子が違いました。理由もなく、ただ黙り込んでいたい状態が続くし…。かといって、特別な意思もなく…。どうも、普通じゃない感じでした。僕のアドレナリンはどこに消えた! 正確にはわからないけど、要するに、脳内で何らかの分泌がスムーズでなくな っている可能性があるなと推理しました。 そういうのが、本当の鬱なのかもしれませんが。 それで、そういう症状に効くお茶のようなものがあったはずだと、近くのドラ ッグストアに出かけました。以前、テレビの健康番組を見てはミーハー的にいろ んなお茶を飲んでたことがあって、そんな中のひとつの説明書に、ドーパミンが どうのこうのと書いてあった記憶があったからです。 落ち込んでしまうのは簡単ですが、メダカさんたちの世話をするためだけに、仕事を辞めてしまうのはまだ少し早 いかなと思いましたし。 ドラッグストアに行くと、お目当てのお茶は見つかりません。 お茶だから、多分、そういった効能を書くことが薬事法上禁じられているので しょう。かといって、いろんなお茶を飲んでたから、名前まで覚えてないし。 そういうわけで、店内をうろうろしていたら、西洋オトギリ草(セントジョーン ズワートSt.John's Wort)と出会いました。 脳内物質であるドーパミンやセロトニン、ノルエピエフリンの分泌を促すハー ブらしい。日本では薬じゃないけど、海の向こうでは医薬品に指定されているとのこと。僕 としてはそんなことはどうでもいいわけで、とりあえず、試してみる価値がある と感じました。 ハーブだし、要するに漢方薬みたいなものかなと思い飲み始めました。同時に 、インターネットでその草に関する情報も集めつつ。何かに、1週間くらいしな いと効果が出ないとか書いてあったけど、思い込みやすいタイプの僕としては、 飲み始めてまもなくから、なんとなく具合がいいなという感じはありました。こ れは自分に合うと、そう感じながら飲んでいました。 そして、3週間くらい経過したある日、仕事に集中していたとき、突然、スイ ッチが切り替わったのです。急に気持ちがすっきりして、それまで、心にモヤの ようなものがかかっていたことに気付きました。 元に戻りましたよ。スイッチが切り替わったというよりは、多分、何かが、脳 内に放出されたのでしょう。 再び燃え上がった感じです。 だからといって、激務に対して同じような対応を続ければ、また似たような症 状になる可能性は否定できません。更年期なのかどうか知らないけど、注意して 、できるだけやり方も工夫して、無理をしないで。 一生懸命世話をしたから、メダカさんたちが恩返ししてくれたのかな。 |