室井滋という人のことを、男だと思っていた時期がありました。 実は女性だと知ったときは新鮮なショックを感じました。 以来、どこか気になる、独特の女性らしさを持っている人だから、いいなあと思い続けています。 あの性格は、男だったらそれほど珍しくもないかもしれませんが、女だから、おもしろい。 いつものようにブックオフに立ち寄り、いつものように百円コーナーで手にした本が、 『ホーキング、宇宙を語る』−スティーヴン・W・ホーキング− 『ねころんで ねこ』−北山竜− 『「気」には無限の力がある』−山口令子− 『むかつくぜ!』−室井滋− の4冊。 いつものように、ジャンルはグチャグチャです。 そのなかで、家に帰って最初に広げたのが、『むかつくぜ!』でした。 女だてらに大人ゆえの豪放さと、少年のような悲惨さ。 「女だてらに大人」という表現も変だけど、無理矢理短い言葉に押し込めてしまうなら、いまふと、こういう感じかなと思いました。 吠えるけど、吠え方に、どこか隙がある。 そんなんじゃダメだよと、つい、思ってしまうけどね。 その、緻密さにかけるところが彼女の味なのかなと思わせて、いいんです。 疲れているときとかに読むと、少しは元気が出るかもしれません。 腹立たしいときとかに読むと、どんどん勢いが増大してきて、非常に気分が良くなったりします。 彼女の怒った顔、むくれた顔など思い浮かべながら、笑っているのです。 タイミングよく、いい本に出会いましたよ。 もはや戦えないと思っても、そこでカッコつけるのが男。 「ここで逃げたら……」と呪文のように胸の内で呟きながら。 誰が喜ぶか考えたら、がんばりたくもないけど。 根性こめてノラしてたのに、 どうしてこんなことになってしまったのか……。 《暖かそうな部屋の窓べに女の人がいて、この猫は、彼女のお腹の上で強がっています》 −(絵本)ねころんで ねこ−より まったく。 ムッシュ |