梅によせて  2013/02/03
 
 
サギソウの植え替えに備えて、朝のウォーキングがてらホームセンターにミズゴケを買いに。
すると、なんとも奇遇でしたが、盆栽用の冬至梅と枝垂れ梅が並んでいました。
 
若いころ、同じお店で梅を買いました。
鉢植えの見事な盆栽が、10鉢か20鉢並んでいたのでした。
いろんな鉢があり、最近まで個人が所蔵されていた雰囲気がありありでした。
大切に育てておられた人が、もしかしたら亡くなられ、あるいは健康を害されて世話が出来なくなったか。
残された方の手には負えないと。
そうなると、せっかくだから誰かに譲ってでも大切に育ててもらえればと。
その方が梅も喜ぶだろうと。
そんな妄想を抱きながら、僕も1鉢を求めました。
早春になると、気高い香りを漂わせ、楽しませてくれたものでした。
でも、3年くらいで枯らしてしまって。
 
 
今朝、ためらいながら、並んだ梅の前を何回も往復しました。
根の部分は赤玉土で、鉢はありません。
これは明らかに、業者さんの作です。
鉢はいくらでもあるから、それでも構わないのです。
価格は千円ほど。
お手ごろではあります。
 
考えてみるに、衝撃的な出会いだし、大いに惹かれているわけですが。
前回、なぜ僕は枯らしてしまったのか。
多分、いつの間にか、世話をすることに魅力を感じなくなったんです。
水遣りが不定期になり、枯れるべくして枯れたのでしょう。
 
ふと、恋愛も似ているような気がしました。
僕は、梅の鉢植えを買うような恋愛を繰り返していたのかもしれません。
明日が見えたような気がしました。
予定どおりミズゴケだけ購入すると、なんとなく後ろ髪を引かれる様な思いを抱いてお店をあとにしたのでした。
 
 
 

 
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