余命の話    2007/01/12
 
 
 『ウィキペディア(Wikipedia)』によると日本人の平均寿命は、世界保健機関(WHO)による調査(2004年時点)では、男が79歳、女が86歳。男は同率世界一位で、女は単独一位とのこと。
 それからすると、まあ、あれです。男は、大体79歳あたりで信号の色が変わるのかなと、そのように、漠然と考えていました。ところが、それがどうもそうでもないみたいだということに、最近気付きました。今の仕事のおかげです。
 というのは、交通死亡事故の場合、被害者の方の逸失利益を計算するとき、平均余命というものを使うからです。
 つまり、平均寿命と平均余命とは違うわけです。別のものです。寿命とは、0歳の時点での余命といいかえてもいい。
 
 自分の年齢と、平均寿命とを比較して、「おお、だいぶ来たなあ」と、そう考えるのはまちがいだったのです。
 いま、僕の手元に、「平均余命年数」を示した表があります。(注)に、「第18回生命表参考表による平均余命とした」とあります。何のことか? 要するに、余命の統計なんです。ネットで調べたら、第18回生命表参考表については、「阪神・淡路大震災の影響を除去した場合の生命表」とあり、これにより平成7年の国勢調査に基づいて作成されたものということがわかります。
 簡単にいうと、「長生きした人はもっと生きる」ということ。たとえば「百歳まで生きた人は、平均で何歳まで生きるか」という、そういう統計なのです。この表によると、0歳の人は、男は、76年、女は、82年生きます。これは寿命と同じになるはずですが、こっちは平成7年の国勢調査の結果を元にしていますから。冒頭で示した平均寿命の方は、世界保健機関(WHO)による2004年(平成16年)時点での調査であり、それだけ時間軸のずれがあります。つまり、平成7年から14年までに、寿命で男が3年、女が4年のびていることがわかります
 
 ちなみに第18回生命表参考表によると、百歳まで生きた人は、男で、あと1年、女で、あと2年生きます。でも、これに時間軸調整の3年を単純に加えれば、104歳と105歳。
 男も、ここまで行くと、女にそんなには負けてません。(^^)
 
 
 
 
 

 
前の話へ戻る 次の話へ進む
 
【夢酒庵】に戻る

【MONSIEURの気ままな部屋】に戻る