メダカの宿題    2002/09/20
 
 
 ハムスターはもう古い。
 驚いたことに、いまはメダカなんですよね。
 あ、いや、驚いちゃいけない。
 
 三次市につくばねトリオというフォークおやじたちがいます。
 トリオというくらいだから3人です。
 3人ではありますが、3人全員がフォークおやじには見えません。おやじもいますが…。
 しかし、今回は誰がおやじだとか、そういう話題ではないので、これ以上はふれません。これ以上ふれると、身の危険を感じるからでもあります。もう遅いかも知れませんが……。
 ボ、暴力反対。/(@_@)\☆\(−.−)
 
 その、つくばねとリオのメンバーguyさんの、和花を育てキルトを縫う多才なお母様にお会いして、メダカをいただいたのがすべての始まりでした。
 以来、病膏肓です。
 
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 一緒にいただいた水草が元気がなくなったり、初代のメダカが何匹か死んだりして、イヤでも研究するようになりました。
 可愛いから、何とかしてやりたいと、勉強しました。
 その結果、いろんなことが分かりましたが、それと同時に分からないことも増えました。
 
 世話をしていると、ついつい餌をやりすぎるように思います。
 5分くらいで食べ終わる量だけ与えるようにと教えられましたが、実際には、なかなかそういう心境にはなれません。メダカにとっても慣れない餌のせいか、最初は、すぐには餌のまわりには寄ってきませんから。もたもたしてるまに、5分くらいすぐに経ってしまいます。そう思って5分過ぎても残るほどの量をかまわず与えていました。残っているようでも、いつの間にか全部食べてくれていますし、ああ、あれで良かったのかなと勝手に納得して。
 そんなとき、メダカには餌を与えすぎないようにという注意書きを見ました。メダカはあるだけ食べるから、与えすぎると死ぬと。死んだのはそれが原因か、と反省もし、だとすれば僕が原因ということになるわけで、悲しい気持ちにもなりました。
 
 メダカの飼育に餌はいらないとまで書いている、過激なホームページにも出会いました。
 ビオトープ・ガーデンというんですね。ラテン語のbio(生物)tope(場所)に由来する、それだけでひとつの完結した生き物たちの住環境をつくるという考え方のようです。
 自然を回復し守るという、本当の意味でのビオトープを作るのは個人では大変ですが、家庭で出来る範囲でそういう世界を作る人が増えていることを知りました。ちょっとした水槽に、小石を並べ、水を入れ、水生植物を植え、メダカを入れるのです。
 メダカの糞のアンモニアなどが分解され、それが水草などの栄養になります。水草は、環境に酸素を返します。メダカの餌としてはプランクトンも発生し、ボウフラもメダカの好物とのこと。
 基本的には、全体の量的なバランス(例えば、メダカが増えすぎたら鉢を分けるとか)だけ考えて、そこだけで完結した生態系として見守ってやることが大切なようです。
 
 我が家のビオトープは、直径40〜50センチのプラスティック製睡蓮鉢です。
 焼き物の睡蓮鉢が欲しかったけど、万円なのであきらめました。プラなら、598円。これでもメダカにとっては十分なサイズです。
 底にはカラフルな石をたっぷり敷いて水を入れ、アクセントの意味もあり、これに水生植物の小振りな鉢を塔のような感じで沈め、まわりの水面には浮き草を浮かべています。
 水中にも細長い水草がたゆたい、メダカの隠れ家になったり産卵場所になったりしているという次第。
 
 鉢のまわりに緑のコケが発生し、水質を悪くするのが不愉快でしたが、その対策としては、タニシを2個入れなさいと書いているホームページがありました。タニシがきれいに掃除してくれて、水も澄むと。
 近くの水路から取ってきてもいいけど、悪い虫が付いてたりすることがあるから、そのためにメダカが病気になるのも困ると思って検討中。
 しばらく別の水槽に入れて、薄めたスミチオンで消毒もして、それから仲間入りさせようかな。
 タニシはすぐに増えるらしいから、増えたのはまた自然界に帰して。
 
 水草ですが、もちろん植物ですから、チッソ・リン酸・カリと、肥料のバランスも大切だと思いますが、こうした家庭のビオトープの場合、水草の栄養源としてはメダカの糞が中心になり、どうしてもチッソ肥料過多になるというか、カリ肥料が不足するような気がします。素人考えですが、閉ざされた世界ですから。
 我が家の場合で見ても、浮遊性の水草は、数は増えるのですが、どんどん小さくなっていきます。種類を変えてみましたが、結果は同じこと。メダカと一緒に水草を付けて差し上げたお宅でも、増えるけど小さくなったとのこと。
 僕の考えが正しいかどうかは分からないまま、とりあえず小さくなっちまう浮き草の回復と静養のため、今日、カリ肥料を多めの水槽を作ってやりました。ここで元気を回復させたら、またメダカのいる睡蓮鉢に復帰させます。
 
 メダカについても、卵の状態のときとか生まれたてのチビ助のときは、そのままでは親に食べられたりするから、出来るだけ別の睡蓮鉢などに隔離して保護してやっていました。
 そうした世話についても、ビオトープの考え方は違います。
 基本的には「放置」なのです。
 それが自然のままということなのでしょう。
 食べられるのは分かっているが、食べられるものは仕方がないといいます。
 そうした環境の中で、弱い者は死に、たくましく生き延びることが出来る個体だけが生き残っていく。そして、そうした個体同士が次の世代を作る。
 それが種の保存のためにも大切なことなのだと。
 
 僕は、しかし、量は減らすにしても餌は与え続けるような気がします。
 チビ助たちの保護も、全員は出来ないけど、続けそうです。
 欲しいという人たちに分けてあげる楽しさもありますから。
 メダカ病を、もっと蔓延させたいですから。
 ただ、そのうち、保護政策は廃止するでしょう。
 睡蓮鉢にしても、際限なく増やせませんから。増えたら近くの川に放せばいいということも考えられますが、川から捕まえてきたメダカは別として、観賞用に人間が作り出した種類は、川に放すと自然界の生態系を破壊するからやっちゃダメだとと何かに書いてありました。
 そうなると、いつまでも過保護は続けられません。
 やはり、弱くのろまな個体は、食べられるしかないのでしょうか。
 
 自然は残酷でもあります。
 もの言わぬメダカたちは、涼しげに泳ぎながらも、さりげなく難解な宿題を出してくれます。
 あ、メダカの学校…。
 
 

 
 もし許せば、続編のメダカの宿題2003もお読みください。 
 

 
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